3棟目は新築木造アパートに投資したいが、今は融資が難しい。
2,000万円、3,000万円の小規模な築古アパートに投資したいが、融資がつかないなあ。何か良い方法はないのか?
そんな疑問を思っている不動産投資家は多いと思います。
その解決方法の1つは、
信用保証協会付き融資を利用すれば、融資を受ける可能性は高くなります。
では、その保証協会とは何か?
信用保証協会付き融資のお申込順序
いきなり、不動産賃貸業を行っていない方は信用保証協会付き融資の申込は厳しいかもしれません。
信用保証協会付き融資は、創業1期以上で毎月の売上・利益が出せるようになってきた企業が受ける申込むイメージです。
理由として、審査で見られる重要なポイントは、返済能力だからです。
借主が返済できなかった場合、信用保証協会が返済しなければならないからです。
初めての不動産投資家の場合、日本政策金融公庫で創業融資を受け、次の段階として信用保証協会付き融資を考えて下さい。
信用保証協会の仕組みと利用方法
保証協会とは、全国51(47都道府県+横浜市、川崎市、名古屋市、岐阜市)の信用保証協会があって、中小企業・小規模事業者等に対する金融の円滑化に資することを目的として事業を行っています。
信用保証協会は金融機関が事業ローン(プロパーローン)と該当するいう感じです。
銀行独自の普通のプロパーローンで融資を出せない物件に対して、信用保証協会に保証してもらって融資を出す方法です。
よく似た事例では、住宅ローンのフラット35に似ています。
銀行独自の住宅ローンで融資受けることが難しい申込者に対しても、フラット35なら住宅ローンの融資を受けることができることと同じ仕組みです。
万が一、借主が返済不能になってもフラット35なら、住宅金融機構が保証してくれるので、銀行のリスクはありません。
銀行はリスクなしで事務手数料か保証料2.2%(融資額5,000万円なら保証料110万円)が入ります。
つまり、あなたの融資申込に対して、信用保証協会の融資審査が承認されれば、 銀行はあなたの融資を受けるということです。
築古アパートに投資をする場合、銀行独自のプロパーローンを相談しても審査は通りにくいです。
なぜなら、銀行は耐用年数以内の年数でしか融資を出さないことが多いので、耐用年数オーバーの築古アパートの場合は信用保証協会付の融資になるのがほとんどです。
(金利は高くなりますが、一部の金融機関では築古アパートにも融資するところもあります。)
築古アパートの銀行独自の融資をしていない金融機関でも信用保証協会付の融資なら融資を出す金融機関はあります。
築古アパートの融資の相談をする場合、銀行の担当者に「信用保証協会付の融資だったら融資を受けてもらいうことはできますか?と聞いてみましょう。
信用保証協会は、各都道府県にありますので、埼玉県だったら埼玉県保証協会になります。
どこの保証協会を使えばいいのでしょうか?
それは、物件の所在地かあなたの居住地のどちらかになります。
個人と法人どちらでも信用保証協会の情報はつながっているので、どこで受けてもあまりかわりません。
ただ、金融機関への不動産融資の相談と同じで、担当者レベルで融資の審査が多少変わることはあります。
築古木造アパートで信用保証協会付の融資の相談をする場合、
銀行の担当者に信用保証協会付の融資だったらどうでしょうか?
と聞いてみましょう。
信用保証協会を利用するときの費用
信用保証協会を利用するには金融機関の事務手数料、金利以外に保証料がかかります。
では、この保証料がどれくらいかかるのかというと、経営状況によって変わってきたりするのですが、
融資金額に対して、保証料は0.5%~2.2%の範囲で保証料率に違いがあります。
例えば、信用保証協会の金利が1.1%だとすると、融資額2000万円で融資期間15年、金利1% の場合、保証料は181.5万円かかります。
2,000万円の融資額で181.5万円の保証料は正直、高いです。
神奈川県信用保証協会の信用保証料シュミレーターで簡単に保証料の計算ができます。
この保証料を支払う注意点ですが、保証料を融資額に入れることはできません。
この保証料の支払いは2つあります。
一括払いと分割払いです。
分割払いは8回払いです。
融資期間15年でも保証料の支払い回数は8回です。
その8回払いの仕方は、融資実行20%、1年後20%、2年後15%、3年後15%、4年後10%、5年後10%、6年後5%、7年後5%です。
全国共通の分割払いかどうかわかりませんが、この支払いパターンが多いと思います。
融資金額2,000万円の場合、保証料8回の分割払い融資実行後(1回目)は、36.3万円になります。
融資金額の割には割高に感じます。
築古木造アパート投資で、信用保証協会付で融資を受ける場合は、保証料36.3万円かかると思っていたほうがいいでしょう。
そして、この信用保証協会に支払う保証料1.1%は金融機関の金利とは別です。
銀行の金利が2%で、保証協会の保証料が1.1%だと、合計3.1%になります。
結構、費用が高くつくので、築古木造アパート投資の物件選びは高利回り物件でないと採算が合いません。
信用保証協会利用のメリット
信用保証協会を利用するメリットは、オーバーローンで融資を組める可能性があるということです。
信用保証協会が融資額を保証してくれれば、銀行はリスクがないので、基本的には融資審査は通りやすくなります。
銀行はリスクなしで借主に貸すことが出来なので、返済が滞る心配が一切ないからです。
住宅ローンのフラット35も同じですね。
木造アパートの場合、法定耐用年数22年ですが、築22年の法定耐用年数がオーバーした物件であっても信用保証協会が保証してくれるのであれば、融資が通る可能性が高いです。
某地方銀行では、信用保証協会を利用する不動産融資の場合、本部決済ではなく、支店長決済で審査が通ると話をされていました。
信用保証協会は物件価格だけでなく、修繕費用や諸費用込みの価格で融資を受けてくれるので、オーバーローンで融資を組むことが可能です。
但し、融資額が大きくなればなるほど、保証料も高くなるので、注意が必要です。
最近、ほぼオーバーローンは出来ない状況の中、諸費用込みで融資を受けれる信用保証協会付き融資は、ある意味、使い勝手の良いシステムです。
築古物件の場合、購入後、修繕費がかかる可能性が高いので、ある程度の修繕費がかかることを想定して融資額を申請したほうがいいです。
もしも、予想以上に修繕費がかかりそうな場合、日本政策金融公庫に修繕費の融資を相談することも1つの手です。
信用保証協会への融資相談には
直接、信用保証協会に申込みに行っても「金融機関経由で申込みして下さい。」と言われる保証協会も多くあります。
まずは、銀行、信用金庫、商工中金に相談する方がいいです。
不動産投資で新規に持ち込むにはハードルが高いかもしれません。
まずは、都道府県によって違うかもしれませんが、はじめに銀行の担当者に信用保証協会付き融資でオーバーローンができるかどうかを確認しておきましょう。
その次は、どのようなケースで信用保証協会付き融資を受けることができるのか基準を確認しておきましょう。
新規客よりも既存客の方が融資を受けやすいのであれば、口座開設をし、給料の振込や光熱費の引き落としや定期預金をして実績を作っておきましょう。
その方が銀行の担当者もやりやすいはずです。
実際に物件を見つけ、融資相談をするとき、自己資金を抑えたい方は諸費用込みができるかどうかを聞いておくこともいいですね。
オーバーローンについて、銀行の担当者から質問されたら、「築古アパートのため、予想以上に修繕費がかかる可能性が有るかもしれないので、お金はおいておきたい」と言えば、担当者も納得されるはずです。
そして、信用保証協会付き融資を受ける大事なポイントは、オーバーローンにも支払いが耐えることができる利回り15%以上の高利回り物件の場合に活用できます。
物件購入前にやっておくべきこと
購入したときのシュミレーションを行い、オーバーローンでも経営できるのかを確かめておきましょう。
土地からの新築アパート融資について
2022年4月 追記
土地からの新築木造アパートの信用保証協会付き不動産融資を試してみました。
はじめから難しいとは思っていました。
結果、建物は評価できない。
土地のみの評価になるという回答でした。
元々、融資期間は短いし、別途保証料を取られるので、前向きではありませんでしたが、
担当者のススメで試してみた。
予想通り、融資相談するするだけ無駄でした。
土地からの新築アパート投資での信用保証協会付き不動産融資は不向きだということを確認した。
まとめ
●銀行独自のプロパーローン融資が無理な築古木造アパート物件でも融資を受けれる可能性がある
●信用保証協会付き融資のメリットは、諸費用・修繕費込みのオーバーローンの可能性がある
●信用保証協会付き融資は、銀行の金利とは別に0.5~2.2%の保証料が必要です。
●注意点:諸費用が割高になるため、15%以上の高利回り物件で活用しましょう。