資産形成を加速的に拡大するには、住宅購入か賃貸に住むのか?
住宅を購入するのか?賃貸に住み続けるのか?
っていう議題は雑誌やメディアでもよく取り上げられます。
では、実際はどっちがいいの?
という疑問に対して、お答えいたします。
結論 資産拡大を目指すなら、住宅を購入する方が資産形成しやすいし、メリットも多い
但し、加速的に資産形成を目指す人にとってはベストな資産形成とは言えない。
あまりリスクを取らず、老後2,000万円問題を解決したい人にはいいかもしれません。
持ち家と賃貸はどっちがトクなんだ
そもそもマイホームを購入したらいいというのはハウスメーカーがいいように宣伝しているだけでしょ?
サラリーマンは転勤する可能性があるから賃貸でいつでも引っ越せるほうが気楽でいいよ。
将来、結婚したら、やっぱりマイホームがほしい
元々、サラリーマンでいつでも引っ越せる賃貸派でしたが、資産形成、住宅ローン控除、相続など総合的に考えると持ち家を購入する方がトクだと考え、戸建てを購入しました。
では、持ち家のメリット・デメリットから見てみましょう。
持ち家のメリット
返済分は自分の資産になる
仮に5,000万円(土地3,000万円、建物2,000万円)の持ち家を金利0.5%、融資期間35年、フルローン、諸費用だけ頭金で支払い、購入したとします。
もし、35年ローンを完済すれば、建物の価値が0円でも、土地代3,000万円は丸々資産になります。
定年退職60歳で住宅ローン25年支払った場合、返済後残高 約1,519万円
土地価格3,000万円 ー 1,519万円 = 1,481万円 の純資産を構築することが出来ます。
賃貸だと、0円です。老後2,000万円問題にも貢献します。
住宅控除1%及び最大年間40万円の控除を受けることもできる
住宅ローン控除の年間控除は最大40万円ですが、年収500万円のサラリーマンだと、年間約27万円の控除額ぐらいお得になります。
※住宅ローン控除額は住宅ローンの借入金額や収入、他の控除(所得控除・税額控除)の金額によって決まります。詳細は税理士などの専門家にご相談下さい。
住宅ローンの申込時、団体信用生命保険に加入するので、今、加入している保険の支払い分は貯金することができる
日本人の多くは毎月多額の保険料を支払っている人が多いです。
特に、カタカナ生命保険の外交員から掛け捨て生命保険はもったいないので、積立型の完済時数百万円のお金が戻る保険料に加入されている人は多くないですか?
実際、僕自身もプルデンシャル生命に毎月3万円支払ったことがあります。
毎月、3万円の支払いはきつかったので、解約しても支払った金額が取り戻せるようになってから解約しました。
持ち家を購入するとき、銀行から団体信用生命保険の加入が条件としてあり、申し込むことになります。
万が一、一家の大黒柱が亡くなった場合、その生命保険で住宅ローンを支払われるので、残った家族は住宅ローンがなくなり、住宅費の支払いは0円になります。
つまり、今、支払っている生命保険は不要になります。
もし、毎月15,000円の生命保険を支払っている場合、年間18万円の節約になり、貯金することができます。
定年退職時25年間住宅ローンを支払っている例で計算すると、18万円 × 25年間 = 450万円になります。
先ほどの純資産1,419万円と450万円を足せば、1,869万円になります。
ほぼ老後2,000万円問題は解消されたも同然です。
この節約した保険料を複利で運用すれば、60歳で資産2,000万円は達成できます。
低い金利で融資期間35年の融資を受けることができる
投資と違って、安定した収入のあるサラリーマンなら、変動金利0.5%、0.6%という低い金利で35年間の長期で融資を受けることができます。
このようなサラリーマンの利点を活用しない手はないでしょう。
資産形成のためにサラリーマン最大のメリットを僕は活用するべきだと思います。
サラリーマンをしていると、転勤になる可能性はあります。
基本的には自分や家族が住む前提で銀行は低い金利で貸してくれるので、転勤中、自宅を貸すことは出来ませんが、このようなケースは金融機関も把握しているので、一時的に転勤している間は人に貸すことを認めるケースもあります。
※金融機関によってルールが違うので、読者様ご自身で確認して下さい。
同じ広さの賃貸よりも毎月安い支払い(住宅ローン)で済む
都内で家賃18万円、駐車場代2万円 70㎡のマンションを借りていたとします。
5,000万円の1戸建てで、変動金利0.6% 融資期間35年 ボーナス払い0円の場合、
毎月の支払額は、132,014円となります。
マンションだと、管理費1.5-2万円/月 修繕費0.8-1.2万円/月 駐車場代1.5-2.5万円
固定資産税がかかります。
一戸建てだと、管理費0円、駐車場代0円、固定資産税だけが毎年かかります。
1戸建てで比較すると
(18万円+2万円)ー(13.2+1.5固定資産税)= 5.3万円安くなります。
マンションで比較すると
(18万円+2万円)ー(13.2+1固定資産税+1.5+1+2)= 0.3万円安くなります。
資産形成の面で考えると、持ち家でもマンションよりも一戸建ての購入の方が賃貸よりも毎月の支払いが安くなる結果です。
安くなった5.3万円を毎月貯金すれば、25年後には1,590万円を貯金することができます。
1,590万円って、めちゃくちゃ大きくないですか?
住宅ローンを完済後は、老後の住居費の負担がなくなります。
今までの話の流れからすれば、定年退職60歳から年金支給70歳開始の間、10年間をどうしますか?
老体に鞭うって警備会社か清掃会社で働きますか?
サラリーマン時代、とある7月の気温35度の炎天下の駐車場で働く高齢者を見ました。
僕は、熱射病で倒れるよ、と思いながら、毎回、その駐車場を使っていました。
定年退職後、お金のために働かざるを得ない状況にはなりたくないと強く思いました。
持ち家の場合、一戸建てなら、毎月の住宅費は0円。
マンションの場合、管理費・修繕費・駐車場代4.5万円が毎月かかります。
賃貸の場合、子供が独立し、少し狭い部屋で家賃12万円のところに引越しをしても毎月12万円はかかります。
リースバックというシステムを使えば、家と土地を担保にして自宅に住みながら借入をすることもできる
リースバックっていう言葉を初めて聞いた人が多いかもしれません。
リースバックの仕組みは、持ち家の所有者と配偶者が亡くなった時点で家が売却されて残債の返済に充てられ、それまでは毎月利息だけ返済し、そのまま自分の家に住み続けることができるという仕組みです。
対象になる物件は金融機関によって違いますが、土地付き一戸建てです。マンションの場合、大都市圏の立地の良い物件に限られるケースが多いようです。
リースバックを活用することからも、持ち家はマンションよりも一戸建ての方が良いですね。
マンションは年数と共に価値が下がっていきますが、一戸建ての場合、土地の価値は大きな変動をしないので、金融機関の担保にしやすいからでしょう。
賃貸よりも内装や設備のハード面の質が高めで部屋の模様替えも自由にできる
賃貸の場合、建物にもよりますが、賃貸マンションや賃貸アパートでよく使用されている標準的な建具や内装材、キッチン、トイレ、バスなどが使われています。
自分でも20年以上賃貸に住んできましたが、使用するに困ったことはありませんでした。
駐車場付きの持ち家だと駐車場代がかからない
自家用車を所有しない人もいますが、やっぱり、マイカーがほしいということを考慮して駐車場付きの一戸建てを建てておけば、使わなければ、自転車置き場や荷物置場としても使えます。
都内で駐車場を借りれば、場所にもよりますが、最低毎月2万円は必要になってきます。
1年間で24万円の出費は非常に大きいですね。
25年経てば、600万円を節約することができます。
600万円を支払うのであれば、駐車場1台分の土地を買えば、元が取れるでしょう。
仮に、横2.6m、縦5m = 13㎡ 1坪150万円の土地なら、591万円になります。
或いは、都内によくある一戸建てだと、1階に駐車場付きの3階建ての家を購入すれば、マイカーを置くことができます。
持ち家のデメリット
賃貸に比べ簡単に引越しができない
マイホーム(持ち家)の最大のデメリットは購入しているので、簡単に引越しをすることができません。
将来、会社のの都合で転勤を命じられたりする可能性もあります。
キャリアアップで転職し、希望の勤務地で働けなくなる場合もあります。
引っ越ししなければいけない状況になったときに、柔軟に動けないことが大きなデメリットです。
1戸建てだと固定資産税、マンションだと固定資産税・修繕費の積立・管理費・駐車場代が必要
マイホームを購入すると、毎月の住宅ローン以外、1年に1度固定資産税の支払いがあります。
マンションだと、固定資産税以外、毎月のマンション管理費・修繕費の積立、マイカー所有者は駐車場代がかかってしまいます。
セキュリティーはマンションのほうがいい
マンションの良い点は、オートロックなどでセキュリティー面で安心感が高い
室内が平面なので、有効面積が広く、高齢者でも暮らしやすい
賃貸のメリット
いつでも自由に引越しができ、気楽
余談ですが、噂の会社の鉄骨マンションに住んだ時、鉄骨マンションなのに、隣の声が聞こえやすのは驚いたことがあります。
だから、最寄り駅まで徒歩8分2路線が使え、築4年の築浅で、立地は良かったのですが、入退去が割と頻繁にあったのは壁の薄さだったのか?と疑問を感じました。
隣人がタバコをバルコニーで吸うので、窓を開けているとタバコの臭いが部屋まで来るところが嫌でした。
その他、非常に湿気が多い部屋で皮のジャケット、靴、金属バットのグリップがすべてカビが生えたので、ちょうど2年更新時期だったので、引越しをしました。
そんなとき、気軽に引越しをすることができるのが賃貸のメリットです。
内容の設備の交換や修理費用の負担がない
エアコン、給湯器、キッチン、お風呂、トイレ(消耗品は除く)などが壊れた時には、マンション所有者が修理代を出すため、入居者が支払う必要はありません。
収入の増減に合わせて住居費をコントロールすることができる
コロナウィルスが起こったとき、僕たちサラリーマンは収入減に合った人が多いのではないでしょうか?
大手企業勤務なら、多少ボーナスに影響はあったかもしれませんが、給料は会社が保証してくれたので、安心して過ごせたのではないでしょうか?
僕の友人も大手企業勤務だったので、自宅待機や在宅ワークをしていても、しっかりと給料をもらっていました。
もし、収入が減った場合、住宅費を抑えようとする場合、持ち家では住宅ローンの毎月の支払い減額を安易に出来ませんが、賃貸の場合、オーナーにコロナ期間だけ減額要求することもできます。
もし、オーナーが対応してくれないときは、もっと安い賃貸マンションに引越しすることが容易です。
ただ、現実的には、引越しをする場合、退去後の原状回復費用、引越し代、次の物件の入居費用などの出費がかさむので、気軽に引越しをすることができないかもしれません。
賃貸のデメリット
部屋の内装や間取り、設備などが自分で決められない。ペットを飼えない。
賃貸マンションでは、自分のものではないので、部屋の壁紙の変更、壁に棚の設置などをする場合、オーナーの許可が必要です。
通常、許可をされることはないし、もし、許可をされたとしても退去時には原状回復を入居者がしなければいけないので、退去時に多額の費用が必要になります。
更に、多くの賃貸物件は犬や猫などのペットを飼うことを禁止しています。
鳴き声、臭い、ペットが部屋を汚すことなどで、オーナーは嫌がります。
特に、独り暮らしでペットを飼いたい人もいますが、禁止されている物件が多いです。
もし、隠れてペットを飼ったことがバレた場合、即退去することになります。
一生、住宅費の支払いが続く
持ち家と違い、当然ですが、賃貸の場合は一生住居費を払い続けなければなりません。
定年退職時60歳ー65歳の年金5年間、無収入でも家賃を払い続けなければなりません。
5年間を退職金で生活費を賄うことができる人はいいのですが、貯金が少なく、中小企業の退職金なんて、多くても数百万円ぐらいではないでしょうか?
そうなると、定年退職後も就職活動をして働かざるを得ない状況です。
特殊な技術職、資格の仕事以外で老後の就職をしても、手取り20万円の月給ぐらいではないでしょうか!
手取り20万円では、住居費含め毎月の生活費でなくなるので、旅行や買い物などの余裕はありません。
高齢になったとき、なかなか入居できない。契約を更新できないことがある。
地域によって違いがありますが、関東地方場合、2年ごとに更新料がかかります。
更新料の月は支払額が増えます。
特に、高齢者の場合、入居を嫌がるオーナーが多いため、引越しすることは非常に厳しいです。
なぜなら、安定収入がないので、滞納の可能性が高くなります。日本の場合、入居者の立場が法律上、優遇されているので、強制退去をさせることが難しいからです。
更に、オーナーが1番嫌がるのが、孤独死です。
孤独死されたとき、その部屋は事故物件になります。次の入居者を決めるのに、相場家賃よりも安くしないと決まらないです。
入居者の家族などいなければ、残された入居者の家電・衣類などの清掃・処分費用はオーナー持ちになる可能性が高いです。
なので、しっかりした保証人は必須です。
もし、家賃保証は保証会社にお金を払うことで確保できても、年をとればとるほど保証人が求められるオーナーが増えており、保証人がいなければ賃貸契約の更新を断られることがあります。
地域によっては2年ごとに更新料を取られる。例えば、東京、埼玉県、神奈川県など
上記でも少し触れましたが、関東地方など地域によっては、2年ごとに1カ月の更新料を支払う条件を付けた物件が多いです。
築30年など古い物件では、更新料が0円の場合もありますが、築浅の賃貸マンション、アパートでは、ほぼ更新料が必要だと思いいます。
この更新料も意外と痛い出費になります。
シュミレーション
仮に住宅費を毎月「16万円程度」とした賃貸のケースと5,000万円の一戸建てのケースでみてみましょう。35歳から80歳までの45年間にかかる費用で比較してみます。
賃貸の場合
敷金:32万円 礼金:16万円 家賃:16万円 共益費・管理費:8,000円 更新費用:2年ごとに16万円 合計:9,488万円(あくまでも同じ賃貸物件に住み続けた場合です。)
一戸建ての持ち家の場合
住宅価格:5,000万円
住宅取得費用:頭金0円/諸費用300万円(住宅購入費用の6%程度と想定)
変動金利0.6% 融資期間 35年 ボーナス払い 0円
住宅ローン:返済額 毎月132,014円
45年間にかかる修繕費 500万円 固定資産税 540万円(毎年12万円)
合計:約6,885万円
※変動金利0.6%で35年間続いた場合で計算しています。
プラット35 団体信用生命保険あり 35年固定金利 1.59% 返済金額5,000万円のケースで計算すると
住宅ローン:返済額 毎月155,306円
合計:約7,863万円
※住宅ローン控除は計算に入れておりません。
上記のように試算してみると、賃貸の場合、一生家賃を支払うことになるので、45年間の住宅費の総額は9,488万円かかります。
一戸建ての持ち家の場合、36年目以降、住宅費は0円になります。金利0.6%でも45年間の住宅費の総額は、約6,885円、賃貸より2,603万円もお得になります。
フラット35の固定金利1.59%で計算してみると、約1,625万円もお得になります。
金銭面で考えると、一生賃貸で住宅費を払い続けるよりも持ち家を購入するほうが老後の生活費に貢献し、1,625万円以上のお得感があり、このお金の差を使わなければ、あなたの資産になります。
お金に関する知識をフル活用すれば、老後2,000万円問題を解消する資産を構築することができます。
あくまでも僕自身の個人的な結論は、一戸建てのマイホーム(持ち家)を選択します。