千葉銀行は2021年度もアパートローン融資に積極的ですか?
アベノミクスの波に乗り、銀行・信用金庫が投資用不動産に積極的に融資する時期がありました。
2016年以前に不動産に投資した大家が5億円、10億円の融資をひくことができ、ギガ大家さんも現れました。
千葉銀行はこの波に乗り、新築・中古RC1棟マンションに対して積極的に融資を行ってきました。
千葉銀行の金利は都市銀行の金利より高いのですが、1.2~1.8%の金利で借入を行うことができました。
1.2~1.8%の金利で融資を受けるのであれば、決して高い金利ではありませんでした。
融資がうまくいけば、物件全額をフルローンで借りることができ、自己資金を残すことができます。
その残した自己資金を使って、2棟目、3棟目に次々と借りることができる時代がありました。
今も同じようなアパートローンで借りれるの?という質問に対して、お答えします。
結論 5,6年前のような積極的なアパートローン融資はしていません。
更に、融資条件が厳しくなり、高い属性の方のみ、アパートローンの融資を受けることができる状況です。
書籍やインターネットで不動産投資の情報収集すると、千葉銀行の名前がよく出てくるのですが、今も同じ条件でアパートローンの融資を受けれるの?
昔も今も上場企業・大企業・医者・弁護士・公務員などの高い属性の人は融資を受けやすいことに変わらないのかな?
不動産投資でセミリタイアを目指すには、千葉銀行のような融資をしてくれる銀行は必要だよね。
ロバート・キヨサキ氏著書の金持ち父さんが言うように、
お金に働いてもらには、銀行からお金を借りる必要があるね。
早くFIREセミリタイアしたいね。
千葉銀行の概要
千葉県千葉市中央区に本店を置く株式会社千葉銀行は千葉県を営業エリアの主とする総資産規模第2位を誇る地方銀行
千葉県 160店舗 東京都 15店舗 茨城県 3店舗
埼玉県 3店舗 大阪府 1店舗
海外(ニューヨーク支店、香港支店、ロンドン支店、上海駐在員事務所、シンガポール駐在員事務所、バンコク駐在員事務所)にも充実した店舗網を有しております。
融資エリア
融資エリアは、千葉県、東京都23区、埼玉県の都市部です。
地方銀行や信用金庫でアパートローンを使うときにはじめに高い障壁となるのが、融資エリアの問題です。
融資申込者の基準は、千葉県内か東京都内に住んでいることが条件です。
基本的に地方銀行・信用金庫と同じように居住地から離れた都道府県から融資を受けるのは、まず、融資は難しいです。
理由は、支店から管理できる距離を超えた物件はルール上無理だからです。
多少の条件は物件次第では寛容な銀行ですが、物件の融資エリアや申込者の住所が障害となることが多いです。
新宿支店に問い合わせたところ、
新宿支店では、新宿区、豊島区、中野区、渋谷区在住者が対象と言われました。
結構、前提条件が厳しいですね。
融資申込者の条件
個人の相談に限らず、法人名義(資産管理会社)での借入も可能です。
2022年1月、千葉銀行の某支店の行員に聞いてみると以下の条件でした。
●サラリーマンで千葉銀行の融資条件は年収1,000万円以上
しかし、実際に、東京の2つの支店に問い合わせたところ、支店独自の基準が設けられていました。
東京のA支店では、年収1,500万円以上
東京のB支店では、年収1,200万円以上 ⇒ 年収1,500万円以上 2022.10.19更新
千葉県内の支店では、年収1,000万円以上が多い
安定的で高い給料取得者を重視するので、自営業者はほぼ融資不可だと思ったほうがいいかもしれません。
ちなみに、1年前に聞いたときは、年収2,000万円の6大商社勤務のサラリーマンでもあまり良い返事をしてもらえませんでした。
●金融資産は3,000万円以上が審査基準の最低ライン
保証人は原則的に必要ございません。
団体信用生命保険は融資申込者の希望により加入になれます。(保険料は当行が負担します。)
年収800万円、金融資産3000万円の方ですが、年収1,000万円の基準以下だったので、融資の審査にものりませんでした。
●最近、1年間の通帳履歴の確認をする支店も出てきています。2023.1更新
無駄使いや過度な節税をしている方は不動産融資を断られるかもしれません。
●新規顧客に対する審査は引き続き、厳しい
しかし、すでに取引のある顧客に対する審査が緩和された。
物件にもよりますが、自己資金1割で融資が可能 2024.7更新
融資期間・金利・自己資金・審査期間について
融資期間
融資対象物件は、木造1棟アパート・軽量・重量鉄骨造・RC1棟マンションのすべてに対応しています。
基本的には法定耐用年数ですが、新築木造アパートで25年、劣化等級を取得すると、30年まで延びます。
RCの新築1棟マンションでは法定耐用年数の47年ではなく、最大融資期間は35年です。
中古1棟マンションは、法定耐用年数47年 – 築年数です。
築年数20年の1棟マンションの場合、47 – 20 = 27年 多少年数を延ばせてもらえる可能性もあります。
※劣化対策等級とは、住宅性能表示制度による建物の「評価項目」のひとつ。 建物の構造躯体の部分に用いられる木材のシロアリ対策や鉄筋の錆び対策など、住宅を長持ちさせるための対策の程度を、3段階の等級で評価する。
金利
3年固定金利 1.2~1.6%
金利については相場よりも若干低い水準の金利で融資を出していることが多く、金利1%以下の優遇金利も出ています。
しかし、金利1%の申込者は属性が高い方です。
高い属性のサラリーマンで、金利0.7%の方がいました。
高い属性の方は自己資金が少なく低金利で借りることができるのが千葉銀行です。
融資実行後、短期売買を防止する意味だと思いますが、変動金利よりも固定金利の方が低い金利で提示されます。
現在(2021年8月)店頭変動金利2.35%から割引をし、3年固定金利で、1.2~1.6%
但し、3年固定金利なので、3年後、変動金利にも変更することができます。
変動金利に変更した場合は、割引がなくなり、固定金利よりも高い金利になる不思議な現象が起こります。
3年後もローン基準金利が変動しなければ、2.35%になります。
もし、また3年固定金利に戻したい場合、戻れる可能性もあります。
3年固定金利で気を付けなければいけない点は、もしも、1億円の融資(金利1.6%,30年)を受けていた場合、購入2年後に売却したとき、1年分の固定金利のローン契約が残ります。
固定金利のローン期間中、売却した場合、違約金が発生します。
3年固定金利のローン契約の覚書に違約金が記載されています。
単純計算ですが、1年分の金利(約160万円)の違約金が発生します。
ですから、売却を検討する場合は、多少、固定金利より高い金利になりますが、変動金利に切り替えておいたほうがいいです。
自己資金
自己資金は以前は、1割+諸費用でしたが、今は2~3割+諸費用
高い属性の方:フルローンの可能性アリ 2022.10.19更新
コベナンツ融資の場合、手数料3~4% 2024.7更新
審査期間
融資審査は、約1か月間です。
担保評価・融資上限額
担保評価
評価方法ですが、積算評価と収益評価の両方を重視しています。
特に立地が良い都内23区の場合は実勢価格と評価価格の乖離が生じます。
土地と建物の積算価格だけでは、売値に全然届かないことが多いです。
収益性では、利回り7%以下の物件は厳しいかもしれません。
収支計算表から金利・空室リスクなどの銀行独自のストレスをかけて融資期間中、赤字にならないのかを試されます。
金利4%まで耐えることができるのかストレスをかけるみたいです。
この結果、年収と金融資産を考慮され、万が一滞納した時、融資申込者の金融資産で補填することができるのかをみています。
その結果、積算評価と収益評価の不足した金額分を自己資金で賄うため、自己資金を何割か出してほしいと言われると思います。
【高い属性の方】
都内:利回り6%以上の1棟RCマンションだと、フルローンの可能性アリ 2022.10.19更新
融資上限額
1億円以内(商品概要参照)
以前は、勤務先が上場企業・大手企業・公務員・医者・弁護士などの年収が高く、自己資金が潤沢で属性が高い人であれば、3,4億円のRC1棟マンションを3棟ぐらい総額10億円の融資を受けている人もいました。
しかし、現在は投資用不動産融資を引き締めているので、サラリーマンが1人で総額10億円の融資を受けれる可能性はほぼナイと思います。
5,6年前、千葉銀行では普通のサラリーマンでもフルローンで融資を受けることができましたが、今は、フルローンはまず無理だと思います。
まとめ
2018年頃までは新築・中古1棟マンション融資に対して積極的な姿勢の銀行で、不動産投資家にとっては貴重な銀行でした。
金利は 3年固定金利1.2~1.6%ぐらいで、低い金利で借りることができます。
しかし、投資用不動産融資に対してかぼちゃの馬車・スルガ銀行問題、TATERU問題以降、融資のハードルが非常に高くなり、高い属性の投資家以外は使えない銀行となりました。
今の千葉銀行でアパートローンの融資を受けようと思えば、年収1,000万円以上、金融資産3,000万円以上の条件に当てはまらはいといけません。
審査基準は 積算評価、収益評価 、年収、金融資産、他の借入がないかなどの総合的な審査ですが、この審査を通る方は高い属性の方に限られてきます。
僕の私見ですが、都内の支店では、年収が高く多くの金融資産を持っている人がゴロゴロいますので、属性の高い方を優先的に審査するのではないでしょうか!
年収1,000万円以上、金融資産3,000万円以上は最低条件のような気がします。
今の融資が厳しい状況では、千葉銀行の融資相談は見送ったほうがいいでしょう。
しかし、いつの時代も融資が厳しい時期のときもあれば、積極的な時期のときもあります。
千葉銀行の投資用不動産への最低条件が緩和される前に、頭金+諸費用分のお金は貯めておきましょう。