金持ち父さん貧乏父さんの投資法は日本では成功するのか?
世界で3,000万部、日本で340万部の不動産投資本のベストセラー「金持ち父さん貧乏父さん」を読んで、果たしてお金持ちになれるのだろうか?
という疑問に対してお答えします。
結論 大部分は当たっているが、一部は間違っています。
この本の投資法に修正を加えれば、不動産投資で1億円以上の資産を形成することは可能
全然、自分には縁の遠い話だという人
本では良いことばかりを書いているだけで、そんなにうまい話があるのか?
ロバート・キヨサキ氏が不動産投資をした時代、アメリカでは、お金が借りやすく、優良物件がたくさんあったから次々と不動産を購入することができて、成功したのでしょ?
今の日本では、そんな高利回りな物件なんて、見つけるのが至難の業だよ。
普通のサラリーマンじゃ、数千万円、数億円の不動産投資をすることは難しいのでしょ?そもそも、そんな簡単に銀行がお金を貸してくれるの?
なんて、多くの人が思っているはずです。僕もそう思っていました。
もし、失敗したら、即、人生がオワコンだよ。
「人生、そんなに甘くわないよ」と人生の先輩方々に説教されるような気がします。
実際、タレントのベッキーがCMに出演していた「かぼちゃの馬車問題」で、被害者が700人以上も出て、破産に追い込まれた投資家もいました。
但し、かぼちゃの馬車に投資した多くの投資家は、物件も見ず、何も勉強せず、利回り8%の家賃を保証してくれることを鵜呑みにして大失敗した人たちでした。
「勉強不足、選んだ不動産業者が悪質な業者だった」の一言に尽きます。
でも、実際に、不動産投資で純資産1億円を構築した人たちもいることは事実です。
不動産業者に騙されそうになった
僕が初めて不動産投資をしたとき、不動産業者に騙されそうになったを話しますね。
大阪のお付き合いのあった不動産業者からの紹介で、1棟鉄骨マンションの購入申込を入れ、物件の見学をし、入居者の空室状況も確認し、銀行融資も承認間近の状態でした。
ところが、ある日、銀行の担当者から連絡が入りました。
あのマンション、1階の部屋は空室ではありませんか?
1階の部屋を窓からのぞくと空室でしたよ。
という連絡が入ったので、早速、現場を確かめるために姉に連絡を取り、現地の確認をお願いしました。
すると、驚くことに1階は空室でした。カーテンも外され、もぬけの殻でした。
確かに、不動産業者と現地見学をした時、3人の親子が1階の部屋に入っていくのを見ました。
窓にはカーテンがつけられていて、住んでいるようにみえました。
つまり、これは満室を見せかけるためにサクラを使った業者の悪質な行為でした。
まさか、知り合いの業者がここまでするとは思いませんでした。
相手は売主が不動産業者なので、契約解除をしてもなかなか認めないと感じ、不動産投資経験者に相談しました。
相談した結果、融資承認不可による白紙撤回をし、手付金を取り戻す作戦にしました。
売主・仲介業者には、かなりごねられましたが、無事に白紙撤回することができました。
こんなことをする業者がゴロゴロいるのが不動産業界です。
この事例が特別というわけではございません。
「金持ち父さんの若くして豊かに引退する方法」を読んでみて、本当にセミリタイアを実現することができるのか?
著書の内容では、誰でもお金持ちになれる。お金持ちになるためには、この世にあるありとあらゆるレバレッジ(テコの原理)を使うこと。
お金が無い人は、「頭脳のレバレッジ」を使うこと。「言葉を変える」「都合の良い現実を生きる」という2つの考え方にチェンジする。
「言葉を変える」とは、ポジティブな言葉を使うこと。
「都合の良い現実を生きる」とは、すでに自分の夢を実現している感覚になること。
実際に目標に向かって人に反対されても行動を起こす「決断」をすること。
などのような内容の中で1番理解したのは、反対されても実行する勇気が必要だと感じました。
普通のことをやっても勤労所得の世界から抜け出せないことは理解しました。
実際、僕も株式投資の相談を友人・会社の先輩・同僚、友人、家族に相談したが、100%反対されました。
しかし、よく考えてみると、全員勤労所得のサラリーマンで、お金持ちの人ではなかった。
つまり、お金持ちの考え方・発送・行動を理解できない人たちでした。
勤労所得の人たちの考え方と違うことを話せば反対されることは考えれば理解できました。
早くセミリタイアするには、自己資金ではなく、他人のお金を使ってレバレッジを活用をし、不労所得を手に入れるための考え方・行動が必要だということです。
不動産投資を使って他人のお金・時間を使うことができますが、勤労所得では以下の点で大いに不利になります。
・サラリーマンは給料から税金を強制期に支払われ、自分で税金をコントロールできない
・自分の時間を会社に提供しているので、自分の時間を大幅に取られる
・給料だけではレバレッジを活用できない
不動産投資のレバレッジは、減価償却を活用でき、節税や控除があり、株式投資と違い、売主と直接、価格交渉をすることができます。
金持ち父さん貧乏父さんの本のやり方では、不動産を購入する時、「100対10対3対1」の法則を紹介しています。
100の物件を検討し、10に購入申込をし、3人の売主が承諾したら、そのうちの1つを購入するというやり方です。
このやり方は、日本では通用しません。
金持ち父さん貧乏父さんの本では、自分の購入価格に見合った値引きの価格で買付を入れることを書いていますが、常識の範囲を超えた値引き価格を出せば、仲介業者からほぼ相手をしてもらえなくなります。
自分自身が売主の立場になって考えてみてください
もし、5,500万円の木造アパートを売り出した場合(売り急ぐことはない売主)、200、300万円ぐらいの値引きした価格で買付を入れるのであれば、まだ常識な範囲と思いますが、1,000万円の値引きで、4,500万円の指値を入れてきたら、そんな買主を相手にしますか?
但し、売り急ぎの売主の場合、大幅な値引きができることはあります。
売主の不動産業者も面倒臭いお客様だな、と思うのではないでしょうか?
僕なら、そんな買主を相手にしなくはないですね。
将来、同じ地域で不動産を探していたら、同じ不動産業者の担当営業マンになることもあります。
あのときのお客様に気付いたとき、あまり相手をしたくないと思われ、適当な理由を言われ、断られる可能性が高いでしょう。
つまり、自分が買いたい不動産を購入できる可能性を自分で低くするということです。
不動産業者の営業マンも人間です。そして、目標数字を持たされた営業マンです。
僕が営業マンなら、融資の承認が下りやすそうな人で、本気で常識の範囲で買いたいと思ってくれるお客様に商談を進めていきたいと考えます。
融資の承認が下りない、非常識なお客様であれば、売上を上げる機会を逃してしまいます。
営業マンは毎月の目標数字を達成することが1番大切です。
属性の悪くて本気で購入しないお客様への相手をしたくないのが本音です。
金持ち父さん貧乏父さんの本で書かれている購入の仕方は、営業マンにとって労力だけ無駄に取られ、日本では通じないやり方です。
日本とアメリカの法律・習慣の違いと共通点
共通点
・不動産投資最大のメリットは減価償却を活用できるということです。
違い
・米国では築20年・築30年の物件でも入居付けは難しくないが、新築好きな日本人では難しい
・米国の住宅ローンは金利3%以上ですが、日本の住宅ローン金利は0.5%ぐらいと非常に低金利で借りれる
・米国の銀行の融資審査では土地・建物の物件評価をして融資額が決まりますが、日本の場合、購入価格より低い路線価や公示価格などを使われ、融資額が伸びにくい。
・日本のアパートローンは、土地・建物の評価以外に勤務先、勤続年数、給料、金融資産も審査対象にされる。
これらのことを考慮して、まずは、実践してみることが大切だと思いました。
新築1棟アパートで2,000万円の利益
先ほどの不動産業者に騙された苦い思いから立ち直るのに、4年間ぐらいかかりました。
しかし、投資はリスクを背負うからこそ、リターンを享受することができるので、いつまでも下を向いている時間はありません。
ここで、ふと、仕事中に本屋に立ち寄ると、ロバート・キヨサキ氏の「金持ち父さんの若くして豊かに引退する方法」という本を発見しました。
不動産投資でお金持ちになれる方法があるのかと思い、じっくりと読みたいので、立ち読みではななく、即購入しました。
本を読み終わったとき、衝撃を受けました。
サラリーマンは自分の労働を会社に提供することによって給料をもらう勤労所得ですが、キヨサキ氏は、家賃収入や配当金などお金に働いてもらう不労所得の話をしていました。
確かに、不動産投資は入居者が毎月家賃を支払ってくれるので、自分のやることはほとんどないから、投資したお金がお金を生む不労所得だと感じました。
まさに、僕が求めていた投資かもしれないと思い、その他、金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラントも読んだ後、経済的自由を手に入れるため、本格的に不動産投資をしようと決意しました。
ちなみに、この時、前回の苦い不動産投資の失敗はすっかり忘れていました。
不動産投資で完成後、即売却し、利益2,000万円を手にした方法
- 新築木造アパートが減価償却が多く取れ、固定資産税は鉄骨・RCより安い
- 自分で土地と建築業者を探し、完成翌日に売却
- 日本の不動産売買に合ったやり方
- 日本とアメリカの不動産投資の違い
新築木造アパートが減価償却が多く取れ、固定資産税は鉄骨・RCより安い
不動産投資の最大の魅力は、建物の減価償却を経費として計上できるため、税引き後の利益を多く残せることできます。
金持ち父さん貧乏父さんの本にも、不動産投資のメリットは減価償却と言っています。
償却期間:RC 47年 鉄骨34年 木造 22年
例えば、新築木造アパートの建物価格が5,500万円(税込み)だったとします。
税別価格だと、5,000万円です。木造は現況償却率0.046です。
5,000万円 × 0.046 = 230万円
毎年230万円を経費として計上することができるので、利益800万円以下の法人税で計算すると、
575,000円の節税効果になります。
575,000円の現金を残せることは非常にデカいです。
自分で土地と建築業者を探し、完成翌日に売却
横浜市の仲介業者から横浜市・川崎市を中心に2階建て木造アパートを何十棟も建てている建築業者の物件を紹介されました。
その業者の物件を20棟見たところで気づいたことは、利回りは10%でしたが、建物・土地の価格が割高だと感じ、川崎市で自分で土地と業者を探して木造2階建てアパートを建てるほうがいいと思いました。
なぜ、川崎駅付近を選んだ理由
●土地・建物総額に対して、利回り11%
●川崎市は横浜市と違い、土地が平坦
●川崎駅まで徒歩18分ですが、川崎市はバス通勤が普通で1時間で30本のバスがある
●川崎駅はビックターミナルで交通に便利で単身者には住みやすい
●工場や大企業が多く、入居付けには困らない
すぐに売却した理由
●スルガ銀行の金利4.5%が高く、税引き後のCFが少なくなる点
●利回り8.5%で売却しても、売買益が2,000万円になる点
●募集管理を依頼した会社に大きな不満があった点
アパート完成後、不動産仲介業者に気軽な気持ちで仲介を依頼したら、翌日、買付が入り、そのままその買主様が購入してもらうことができました。
ここでの利益が将来の不動産投資に大いに役立つことができることになりました。
金持ち父さんの買い方では絶対業者に嫌われる
金持ち父さん貧乏父さんの本では、新築の話はほとんど出てきませんでした。
中古の利回りの高い物件の購入や売主が本当の不動産価値を知らず、割安で不動産購入をした話や利回りから逆算した価格に指値を出す話、100軒探し、10軒申込、3軒応じてもらい、1軒を購入する話などです。
金持ち父さん貧乏父さんの本では、自分の購入価格に見合った値引きの価格で買付を入れることを書いていますが、常識の範囲を超えた値引き価格を出せば、仲介業者からほぼ相手をしてもらえなくなります。
自分自身が売主の立場になって考えてみてください。
もし、5,500万円の木造アパートを売り出した場合(売り急ぐことはない売主)、200、300万円ぐらいの値引きした価格で買付を入れるのであれば、まだ常識な範囲と思いますが、1,000万円の値引きで、4,500万円の指値を入れてきたら、そんな買主を相手にしますか?
売主の不動産業者も面倒臭いお客様だな、と思うのではないでしょうか?
僕なら、そんな買主を相手にしなくはないですね。
将来、同じ地域で不動産を探していたら、同じ不動産業者の担当営業マンになることもあります。
あのときのお客様だと気付いたとき、あまり相手をしたくないと思われ、適当な理由を付けられ、断られる可能性が高いでしょう。
つまり、自分が買いたい不動産を購入できる可能性を自分で低くするということです。
不動産業者の営業マンも人間です。
そして、目標数字を持たされた営業マンです。
僕が営業マンなら、融資の承認が下りやすそうな人(属性の高い人)で、本気で常識の範囲で買いたいと思ってくれるお客様に商談を進めていきたいと考えます。
融資の承認が下りない、非常識なお客様であれば、売上を上げる機会を逃してしまいます。
営業マンは毎月の目標数字を達成することが1番大切です。
属性の悪くて本気で購入しないお客様への相手をしたくないのが本音です。
金持ち父さん貧乏父さんの本で書かれている行為は、労力だけ無駄に取られ、日本では通じないやり方です。
日本とアメリカの不動産投資の違い
日本の不動産投資の場合、売買利益(キャピタルゲイン)ではなく、家賃収入(インカムゲイン)狙い
アメリカの不動産目的は年々不動産価格が上昇するので、売却利益で大儲けを狙う作戦です.
一方、日本の不動産価格は大幅な上昇が見込めないので、家賃収入狙いをする方がベターな投資法だと思います。
アメリカの金利よりも日本の金利が低いので、インカムゲインでも十分に利益を出すことが可能です。
日本の不動産売却に対する不動産譲渡税は2種類
譲渡所得には不動産の所有期間5年以下か5年超かで税率が大きく変わります。
●所有期間が5年以下の短期譲渡所得の場合
39.63%(所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%)
●所有期間が5年超の長期譲渡所得の場合
20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)
5年以内で不動産を売却すると、利益を約40%を税金で取られてしまいます。
なので、不動産投資の短期売買でも5年以上は保有する戦略がベターかもしれません。
大幅な利益が見込める場合、短期売買をすることも「あり」だと思います。
ちなみに、長期保有目的で金融機関から融資を受けるので、短期売買は嫌われます。
おそらく、短期売買をした後、あなたへの印象が悪くなり、次の融資を断られる可能性があるかもしれません。
反省点
売却後に思った反省点です。
●保有1か月未満だったので、税金が40%も取られた。
●不動産業者に任せ、審査期間の短い金利4.5%のスルガ銀行から融資を受けてしまった
●14㎡の狭小アパートは年数が建つと家賃下落率が悪くなる
●私が購入した狭小アパートの地域は、あまり属性の良くない人が多く、部屋の使い方、ゴミ出し、入居期間の短さなど問題が出る可能性が高かった。
●周囲の環境も調べておくべきだった。隣のオジサンが問題児で、何かとあら捜しをし、すぐにクレームを言ってくる人でした。