なぜ、火災保険に加入するのか?
火災保険とは、損害保険の1つで、火災が発生した場合の損害を補填するための保険のことです。
火災保険というものは、いざというときに備えるために加入するのです。
世の中、いつ何が起こるのかわかりません。
近年は地球温暖化もあって、40年、50年とマイホームで暮らしていく中で家の被害をゼロにするのは難しいかもしれません。
保険料を選ぶとき、保険料の安さだけを基準に選ぶのではなく、いざという時に困らないような必要な補償と必要ではない補償を正しく選択する必要があります。
火災保険というものは火事になってしまったときに支払われるものだ、と思われている方も多いと思いますが保険が適用されるのは火事の時だけではありません。
火災保険が適用されるのは家に関する火災、自然災害、盗難や事故にも適用される場合が多いです。
ご自身の地域、家族のニーズに合った火災保険を選び、万が一の災害にも安心できる保険を選ぶことが大切です。
マイホームを購入する時は色々と調べるけど、火災保険はどれも同じと思い、保険の営業マン任せになるなあ。
いざというとき、何が補償される火災保険なのかわからない。
実際に、台風で家の外壁が壊れたとき、誰に相談したらいいのかわからなかったなあ。
最近、日本って、地震が多いよね。
地震保険には入っとくべきか?
でも、保険料は高そう
火災保険の選び方
そこで、今回は火災保険の賢い選び方のポイントを解説します。
建物のみ、建物・家財の両方のどちらを選択するべきか?
まずは建物とは、建物本体だけでなく、車庫・門堀・物置など建物に付随するものを含みます。
例えば、建物を補償の対象として設定することで、車庫にマイカーの出し入れで自宅の塀の一部が壊されてしまったときでも火災保険で補償を受けることが可能です。
家財とは、家具・テレビ・冷蔵庫・洗濯機・衣類・食器・子供関連などの建物の中にあって動かせるもののことです。
建物のみの火災保険の場合、火事で家が燃えてしまったとしても保険金を受け取れるのは建物が受けた損害分のみです。
建物のみの保険なので、家具や家電や洋服などの家財は保険対象外です。
火災や浸水でダメになった家具や家電や衣類などの買い直しをする場合、結構な費用がかかります。
建物と家財両方を補償する火災保険に加入すれば、建物と家財の両方を補償してくれるので、万階一の安心感はあります。
建物の構造も保険料に影響する
火災保険は、建物が燃えやすいかどうかで保険料に影響を与えます。
当然の話ですが、簡単に言えば、木造は燃えやすいから保険料が高くなるり、鉄骨は燃えにくいから保険料は安くなるといことです。
住宅物件の構造級は、M構造・T構造・H構造の3つに分かれています。
何が違うのか?と言えば、
M構造はマンション構造、T構造は耐火構造、H構造は非耐火構造とそれぞれの頭文字をとったアルファベットです。
M構造は、コンクリート造の共同住宅(マンション)になります。
T構造の1級は、コンクリート造の戸建住宅(耐火建築物) など
T構造の2級は 、鉄骨造の戸建住宅(準耐火建築物)、省令準耐火建物に該当するツーバイフォー住宅など
H構造の3級は、木造の共同住宅(アパート)、戸建住宅など
燃えにくい順番は、M構造→T構造→H構造でコンクリートマンションは頑丈で燃えにくいから保険料は安く、木造一戸建ては燃えやすいから保険料が高くなるということです。
木造建築は通常、H構造ですが、耐火建築物や準耐火建築物に該当するものはワンランクアップしたT構造になり、保険料が安くなります。
火災保険を検討する際、営業マンに建物の建築確認書を渡すので、どの構造かを教えてもらえます。
火災保険には住宅火災保険、住宅総合保険の2種類がある
火災保険には「住宅火災保険」「住宅総合保険」があり、基本的な補償の範囲が以下のように異なります。
住宅火災保険 | 住宅総合保険 | |
火災 | 〇 | 〇 |
落雷 | 〇 | 〇 |
破裂・爆発 | 〇 | 〇 |
風災・雪災 | 〇 | 〇 |
水災 | × | 〇 |
水漏れ・飛来 | × | 〇 |
盗難 | × | 〇 |
住宅火災保険では火災や落雷、破裂、爆発、風災・雪災といった基本的な災害部分のみ補償を受けられます。
一方、住宅総合保険では住宅火災保険に加えて水災・水漏れ・盗難など幅広く補償を受けられる点が違います。
最近では、住宅火災保険、住宅総合保険という補償内容が決まった保険だけでなく、補償の範囲を細かく選択できる火災保険もあります。
イメージとして、住宅火災保険の補償範囲がメインの補償にあたり、住宅総合保険でのみ補償される部分がオプションにあたります。
近年、災害が頻繁に起こっている日本では、東京に住んでいるから大丈夫ということではございません。
台風被害は、どの地域でも起こりえます。台風の影響で水災(床下・床上浸水)、風災(外壁・屋根の損壊)などが起こります。
大雪では、雪の影響でガス管・水道管の凍結や破裂を引き起こすこともあります。
これらの被害は、他人事ではございません。
2018年10月の台風では、強風で屋根の一部が壊れて飛んでいきました。
実家では、落雷に遭い、給湯器が壊れました。
まさかのことが、温暖化の影響で災害被害を受ける可能性が上がっています。
火災保険の加入する補償内容は、オプションを付帯させるかどうかは加入者の任意ですが、近年の災害状況からすると、充実度のある補償内容にしておいたほうがよいと思います。
保険料金
結局、保険料はいくらするの?と聞きたくなると思いますが、
保険金額は簡単に言うと火災など災害に遭ってしまった際に支払ってくれる保険金の最大金額のことで、通常は保険会社が決めます。
建物の評価で保険金の上限額が決まり、その範囲内でお客様が保険金額を決定します。
保険は建物価格以上の補償金額にしておいたほうがいいでしょう。
なぜなら、
保険料を建物価格より少なくしすぎると、万が一の災害の際、建て直すお金が不足します。
ただ、住宅ローンを使う場合には銀行側から物件の融資額と同等ぐらいは保険金額にして下さい、と指定されます。
なので、一般的な保険金額の設定は銀行の融資額以上で、火事とかで全焼してしまっても建て直せるぐらいの金額にしておいたほうが安心だと思います。
保険期間・保険料の払込方法
火災保険の保険期間は、1年から最長で10年まで設定できますが、最長5年までの設定に短くなる可能性もあります。
保険期間は最長10年までで、1年更新や5年更新・10年更新みたいな感じで都度選ぶことができます。
年数が長い保険料ほど割引率が高くなるメリットがあります。
しかし、2022年度には最長5年に変更される見通しで、最近は昔に比べて自然災害も増えていて、保険会社の負担も急激に増えているので、長期割引を減らすための施策になっています
火災保険を長期間契約する場合、保険料の払込方法は、下記の3つです。
●毎月支払いの長期払い、
●毎年1回まとめて保険料を支払う長期年払い、
●保険料の全額を一括で支払う長期一括払い
一般的に、保険期間を長く設定するほど保険料が割安になるのですが、最近では保険料が高くなる場合もあります。
火災保険を加入する際には、保険会社に確認をしていた方がいいですね。
地震保険に加入するべきか?
地震保険とは、地震や噴火、これらに起因する津波や火災、倒壊や半壊などの損害を補償する保険です。
近年、地域に関係なく、日本の色々な地域で大地震が起こっています。
僕自身も淡路・阪神大震災のときは大阪で遭遇しました。
東日本大地震のときは栃木県の那須で遭遇し、東京の自宅に帰るのに営業車で15時間かかった経験をしました。170kmずっと住宅でした。
じゃあ、地震保険は加入しておくべきだ、と思いたくなりますが、地震保険には注意点がございます。
●地震保険では単独契約ができず、火災保険に入らないと入ることができません。
●地震が起因で発生した火災・津波・土砂崩れによる建物被害・家財被害も地震保険でカバーされます。
火災保険では、地震の5日後に発生した火災は火災保険で補償されないということです。
火災保険で補償の対象にならず、地震保険で補償の対象になる災害には以下のようなものがあります。
・地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災
・地震・噴火・津波による損壊
●但し、地震保険の保険料は火災保険の30~50%の範囲までしか補償に入れません。
地震保険の保険料
地震保険は一般的に火災保険の保険金額の30~50%の範囲と決まっています。
保険金額は建物5,000万円、家財1,000万円の上限が設定されます。
実際の建物や家財の損害状況に応じて、補償の割合が設定されています。
全損=地震保険金額の100%、大半損=地震保険金額の60%
小半損=地震保険金額の30%、一部損=地震保険金額の5%
地震による損害全額が補償されるというわけではありません。
保険会社が認定した割合分のお金が補償されます。
地震保険は火災保険よりも安心感がありますが、保険料は火災保険よりも高額になります。
補償内容と保険料のバランスを考慮して決めて下さい。
余談ですが、地震保険には、地震保険料控除があるので、年末調整で申告すれば、支払った保険料のうち最大5万円まで控除を受けることが出来ます。
新価(再調達価額)で契約すること
火災保険の建物評価額には、新価(再調達価額)と時価という2種類の評価基準があります。
新価とは、火災や災害などによって建物に損害が生じた場合、その建物と同等のものを建て直すのに必要な金額をいいます。
つまり、1,000万円の建物で全焼した場合、1,000万円のお金を補償してくれます。
家財も同様に新価で評価してもらえます。
一方、時価とは、経年劣化による建物の価値が減少した分を新価から差し引いた金額で補償されます。
建物1,000万円で築11年経過した場合、建て直しに1,000万円必要なのに、500万円しか補償されないということです。
きちんとした数字ではありませんが、満額の1,000万円はお金が出ないということです。
今の火災保険は、新価で評価することが主流となっていますので、問題はないかと思います。
ハザードマップ別による保険料を導入する可能性があるかも
ここ最近、自宅購入選びでも気にするべきことですが、火災保険の保険料にもハザードマップによって保険料が変動するような動きがあります。
まだ決定しているわけではありませんが、損害保険料率算出機構が水災については、地域に応じて保険料に格差を設ける料率制度、体系案を検討しています。
河川の氾濫や大雨・台風による浸水する場所は保険料が高くなるようにしようと検討されています。
マイホームを購入するときは市役所のホームページでハザードマップを確認し、 河川の氾濫や大雨・台風による浸水の影響を受けにくい地域でマイホームを購入する方がよいと思います。
ネット加入がいいのか?営業マンから入ればいいのか?
保険の代理店で相談すれば、スタッフに高い火災保険に加入させられたりしないのか不安に思われる方もいると思います。
僕は、はじめにネットで調べ、同じような補償内容の火災保険で1番安い火災保険の目星をつけておきます。
指定した火災保険と同じような補償内容で似た別の保険会社の火災保険も教えて下さい、と事前に話しておけば効果的な相談をすることができます。
その後、保険の代理店に相談しに行きます。
ネットではなく、店舗では保険の疑問点を気軽に聞くことができ、疑問点もその場で解消することができます。
こちらから指定した火災保険を言えば、ネットの火災保険と同じ保険料のものを指定して言えば、余計な高い火災保険を選ぶことはありません。
なので、ネットと店舗の両方をうまく活用することが火災保険の賢い選び方になると思います。
僕自身、このようなやり方で欲しい補償内容が入ったもので1番安い火災保険を選びました。
まとめ
ご自身のマイホームを災害から守るためには、最低、火災・風災・水災・雪災の火災保険に加入しておくべきです。
災害に遭遇した場合、家電・家具・衣類などを買い直す費用(100万円以上)のリスクも避けるなら、家財保険も一緒に入っておきましょう。
災害の多い日本では地震保険に加入しておいた方が安心ですが、保険料が火災保険より高額な支払いになるため、費用面も考慮して判断して下さい。
ちなみに、僕の場合、地震保険は加入しておりません。
なぜなら、淡路・阪神大震災、東日本大震災でも新しい戸建て住宅は倒壊していませんし、補償金額は半分しか補償されないのに保険料は高いからです。、地震保険は入りませんでした。
但し、地震が起因する火災・倒壊などは火災保険の対象外になるので、そのあたりをどう考えるのかです。