最近、テレビCMでも放送されている「みんなで大家さん」の投資について述べていきます。
あれだけテレビCM、ネット広告、優待、紹介料など相当な出費をしている「みんなで大家さん」って、出資者に本当に7%の利回りが出せるの?
自転車操業ではないの?
そんな疑問を抱くのは僕だけでしょうか?
みんなで大家さん(利回り7%)の概要
運営会社
都市綜研インベストファンド株式会社を運営元とするクラウドファンディング
母体の共生バンクグループは、ホテル事業や高齢者向けの生活支援付きマンションの運営などの事業を行っています。
都市綜研インベストファンド株式会社が「みんなで大家さん」で扱うファンドを運営する営業者です。
そして、「みんなで大家さん」を販売している販売代理人がみんなで大家さん販売株式会社です。
宅地建物取引業や不動産特定共同事業の許認可を得て営業している会社です。
「みんなで大家さん」のメリット・デメリット
「みんなで大家さん」のメリット
1.7%の高い利回りが期待できます
想定利回り6~7%、14年間、元本評価割れや想定利回りを下回ったことはなし
とホームページでは表記されています。
定期預金の利息が0.002%の低金利時代では非常に魅力的な利回りです。
2.不動産投資のような手間が不要
通常、不動産投資は募集、管理、修繕など手間がかかりますが、みんなで大家さんの場合、このような手間はかかりません。
3.1口100万円から投資が可能で、投資しやすい
地方の1棟アパート投資でも2,000万円以上はします。
銀行からの融資を受けないと投資することは難しいです。
しかし、みんなで大家さんの場合、1口100万円から投資することが可能です。
4.会員制度でランク付けがあり、新商品の優先案内や追加ボーナスを受け取ることが可能です。
みんなで大家さんへの投資額に対してのギフトカードのプレゼント、
レジャー施設やレストランでの優待、
投資家を紹介することによりギフトカードなどのプレゼントがあります。
5.比較的簡単に解約ができる
「みんなで大家さん」はクーリングオフの対象となるので、
申込みから8日以内であれば全額返金を受け取ることが可能です。
ただし、返金には60営業日かかる(土日祝日を除く)ので、およそ3ヶ月かかります。
「みんなで大家さん」のデメリット
1.この法人(匿名組合)が破綻すれば、投資資金全額が返ってこない可能性があります。
みんなで大家さんに投資した方には不動産の所有権はありません。
資金繰り悪化により会社が破綻した場合、出資額が返ってこない可能性があります。
申込をする際、契約内容をしっかりと確認して下さい。
2.元本保証ではない投資商品なので、元本割れをする可能性はあります
上記1と2は投資商品である以上、元本を保証されないことは普通です。
元本保証を求めるなら、日本の預金か日本国債しかありません。
3.過去、行政処分を受けている
下記に業務停止の内容を記載していますが、約32億円を過大計上することなんて、あり得ますか?
顧問税理士がエビデンスを元にチェックされていなかったのでしょうか?
平成24年5月の立入検査で、都市総研インベストファンド株式会社の平成23年度貸借対照表において、約32億円の資産過大計上となっていることが判明した。
その結果、大阪府による60日間の業務の一部停止命令が出ました。
その後、会社分割により、「みんなで大家さん販売株式会社」はこれまで通り「みんなで大家さん」の販売に専念した。
且つ、上場会社に準ずる会計基準を導入し、監査法人による会計監査を受けることで、主たる営業者である都市綜研インベストファンド株式会社と共に、更に事業を拡大して行く方針を出した。
「みんなで大家さん」の私の投資判断
通常、利回り6~7%は今の低金利の時代では非常に魅力的な投資商品です。
しかし、今の現物の不動産投資では、利回り8%以上の物件はなかなか出てきません。
「みんなで大家さん」のホームページでは、
賃貸収入 – 賃貸費用 = 賃貸利益
賃貸利益 = 優先出資利益分配+営業者報酬+劣後出資利益分配+残利益
と記載されています。
基本的に優先出資利益分配が投資家の分配金の取り分です。
不動産投資の場合、賃貸費用には、固定資産税、管理費、修繕費、光熱費、清掃費などの諸費用、空室率10%を引くと、約25%が家賃収入から引かれます。
8%の表面利回りの物件が実質6%の賃貸利益になります。
こちらの販売会社も営利を目的にした会社なので、利益を出す必要があります。
会社の利益、不動産所得費用、広告宣伝費、人件費、レストラン優待やプレゼント代、物件取得による銀行の借入金利の諸経費を引くと、果たして、7%の利回りを出し続けることができるのでしょうか?
最低10%以上の利回りの物件に投資しないと採算は合わないでしょう。
年6回の分配をうたっていますが、投資資金を振込み、振り込まれた金額分の配当が2か月後に出せるのだろうか?
コロナ禍でも、現在の投資物件の家賃収入がきちんと入っているのだろうか?
分配金の原資は不動産の賃料収入だと理解はできますが、
非常に疑問を感じます。
だから、僕の結論は、「みんなで大家さん」は投資対象外です。
リスクとリターンのバランスを考慮したら、僕の投資方針には合いません。
但し、これらの疑問を払しょくできる根拠があるのなら、投資対象の1つになります。